
中央大学幸楽苑キャンパスで日本材料学会関東支部2023学生研究交流会が開催されました.大学院2年生の堀北さんが「機械学習によるさびの自動検出に及ぼす照明条件の影響」の講演を,酒井君「X線回折法を用いた遮熱コーティングの微視的なポアソン効果の測定」の講演を行い,堀北さんが優秀講演発表賞を,酒井君が支部長賞を受賞しました.詳しくは下記のリンクをご覧ください.
本研究室では,”材料の強度や破壊,変形”に関する研究を行います.産業界で実際に使用されている機械において,材料の破壊は事故と直結し,大きな被害を生じさせます.このような破壊事故を防ぐためには、材料強度の研究が不可欠です.また,燃費向上,生産コスト低減,安全性向上など機械の性能を向上させるためには,新規材料を開発することおよびその材料の破壊メカニズムを解明することが必要です.本研究室では,材料の強度特性を評価するとともに、なぜ壊れたのか?なぜ強度が向上したのか?などを明らかにします.そして,『事故のない安全な社会の実現』および『機械の高性能化によるより良い社会の実現』に貢献します.主な研究内容は以下のとおりです.
すべての機械は材料から作られます.ですので,材料強度を必要としない機械開発はあり得ません.そのため,材料強度の研究は機械系のすべての分野の役に立つ研究といえます.実際に,本研究室では多くの企業や学協会と共同研究を行い,本研究室の研究テーマのほとんどは共同研究です.来年度は,航空機,自動車,発電プラント,ゴルフクラブなどの幅広い分野を対象として研究を行います.このように,材料強度は社会と密接に関係した分野ですし,皆さんの研究結果が社会の発展に直結する分野となっています.近い将来,皆さんの研究成果をもとに機械製品が作られるかもしれません.
また,材料強度の研究というと”材料を壊して終わり”というイメージを持っているかもしれません.しかし,材料強度の研究を行うためには,試験装置の設計製作を行ったり,実験装置の制御を行ったり,シミュレーションを行うためのプログラミングを行ったり,人工知能を作成したり,
と様々なことが必要になってきます.そのため,材料強度に興味がある人はもちろん,機械や装置を作りたい人,プログラミングやシミュレーション,AIに興味がある人も是非志望してください.
2023年度は,修士2年生3名,1年生5名の大学院生が所属予定です.(このうち,3名は熊澤研究室所属).研究テーマは1テーマ/1人を予定しています.しかし,類似の研究テーマごとにグループを作り,仲間や先輩と協力しながら活動を行います.
(1)逆解析を用いた耐熱コーティングの弾性率評価(火力発電用耐熱コーティングの研究)
(2)自動車用ベアリングのインデンテーション法を用いた強度予測(軸受メーカとの共同研究)
(3)自動車用表面処理材の強度予測法の開発(表面処理メーカとの共同研究)
(4)ゴルフクラブ用材料の長寿命化に関する研究(ゴルフクラブメーカとの研究)
(5)地震による大変形下での疲労き裂進展シミュレーション手法の開発(発電機器メーカとの研究)
(6)人工知能を用いたさび自動検出 (大学,研究所,企業との共同研究)
(7)金属3Dプリンタ材の疲労強度評価方法の開発(最新材料の研究)
(8)クレーン用ワイヤロープの疲労強度評価に関する研究(大学,研究所,企業との共同研究)