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課題
背景  スクラムジェットエンジン(SCRAM jet engine=Supersonic Combustion RAM jet engine"超音速燃焼ラムジェットエンジン")とは,現在,将来の極超音速・超音速スペースプレーンの推進機関として研究・開発されているエアーブリージングエンジンの一つである.その特徴はエンジン全域で超音速が保たれる点である.そのため,燃焼室においても超音速が保たれており,0.5msec程度の極短時間に燃料と空気を分子レベルで混合し,燃焼に導く必要がある.だが,超音速流中での混合は圧縮性の影響で強く抑制される.したがって,超音速流中での”混合促進”が言うまでもなく重要な課題の一つとなる.よって,燃焼室内流れに関する研究は活発に行われている.超音速燃焼において求められることは超音速気流中で確実に点火し,火炎を保持して安定させること,さらに,短い時間内に反応を終了させなければならないことなどがある.

Figure 1. スクラムジェットエンジンの構造.


Figure 2. アメリカで開発中のX-51A.


Figure 3. JAXAと防衛省の研究協力.
目的  燃料噴射機形状を工夫をすることで超音速混合を促進させ,水素以外の炭化水素燃料を使用することが目的
方法  メタンをはじめとした炭化水素の詳細化学反応モデルを作成し,水素の場合と比較し性能を評価する.
 過去の燃焼噴射機形状を模擬し,数値計算を実施.性能を評価する.

Figure 4. 化学反応モデルの一部.


Figure 5. 噴射機形状(Normal Injector).


Figure 6. 噴射機形状(Back Step Injector).


Figure 7. 噴射機形状(CNR5-R17).

結果  以下に実験を模擬して数値計算を行いモデルの妥当性を評価したグラフを示す.


Figure 8. 正確性の評価その1.


Figure 9. 正確性の評価その2.


次に,各燃料と各噴射機形状の性能についてのグラフを示す.

Figure 10. 噴射器形状性能(Normal Injector).


Figure 11. 噴射器形状性能(Back Step Injector)


Figure 12. 噴射器形状性能(CNR5-R17).

メタン燃料の場合は燃焼せず,メタン燃料は超音速燃焼に不敵なことがわかる.