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課題ロケットノズル
背景  ロケットノズルは図1に示すように推進剤の燃焼室に接続しており,接続部をノズル入口,そのすぐ下流部にある面積の絞られている部分をスロート,スロートから下流部は面積が広がっていき,端点をノズル出口と呼ぶ.この燃焼室で推進剤を燃焼して生じた燃焼ガスを膨張させスロート部を通りノズル出口から流出させることで推力を得ることができる.しかしこのように流路の面積が広がるとベルヌーイの定理から非圧縮流れにおいては流速が下がる.それに対し,圧縮性・超音速流れでは流路が広がると流速が増加する.そのためロケットノズルではこの形状で推力を得ることができる.

Figure 1. ロケットノズルの形状.

 適正膨張に達していない時,ロケットノズル内の流れが壁面から剥離する.この剥離には二種類あり,一つは図2に示しているようなRestricted Shock Separation(RSS)と呼ばれる壁面から一度剥離した流れが下流で再付する流れのことで,もう一つは図3に示しているようなFree Shock Separation(FSS)と呼ばれる壁面から一度剥離した流れが下流で再付することなくノズル外部へと流出する流れである.

Figure 2. Restricted Shock Separation(RSS).


Figure 3. Free Shock Separation(FSS).

目的  RSSとFSSは特定のNozzle Pressure Ratio(NPR = ノズルり口全圧/背圧)において発生し,通常NPRの変化に伴って,RSSからFSSへと遷移することが観測されている.これらの剥離によりノズル内の横力や振動の発生,推力の低下の原因として指摘されている.そのためノズル内の流れの剥離を抑制することで推力向上を目的として計算・解析を行っていく.
方法  図4に示すようなロケットノズルの計算用格子を作成し,この計算格子を用い数値計算を行うことでNPRにおける流れの解析を行うことができる.数値計算には熱流体解析ソフトウェアANSYS FLUENT2022R1を使用する.


Figure 4. ロケットノズルにおける計算用格子.

このソフトウェアで得たデータから熱流体解析ソフトウェアANSYS CFD-Postを用いて図5に示すようにマッハ数による流れを表した動画やグラフを作成することで解析を行う.


Figure 5. 数値解析の例.
結果  研究中