青山学院大学理工学部 機械創造工学科 超音波光学研究室 |
Ultrasonic and Optical Engineering Laboratory |
当研究室で開発した光ファイバAE計測システム |
研究方針 |
長研究室では,以下の大きなテーマに沿って研究を行っている.
1)高経年化設備の健全性診断技術の開発 現代社会は、水道、電気、ガスや道路などさまざまな生活インフラが整備され、また多くの化学・工業製品が溢れており、便利な生活を享受している.しかし、このような便利な生活を生み出している数々のインフラや工場(プラント)等の設備は、すでに建設から30〜40年経過しているため経年劣化している.つまり、現代のこの便利さは、大げさに言えば,年を取った(老朽化した)設備をだましながら運転することで成り立っている.だからといって、現在の日本にはこれら高経年化した装置を廃棄し、再建設する体力がない.そこで、現有の設備をいかに“長寿命化”するかが大きな課題である.一方、最近では安全性に対する関心が高く、“安全、安心”をキーワードとした高度な管理が要求されている.すなわち、現有の設備を、安全に、経済的に運用する技術が求められている.そのためには、これら設備や構造物の健全性を簡便かつ正確に診断できる技術が必要不可欠である. 研究目的の一つは、超音波や光を使ったもしくは融合させた新しい技術を産み出し、設備や構造物の健全性診断技術を開発することである. これからの21世紀前半は“メンテナンス”の時代である、アメリカやヨーロッパに負けない新しい技術を開発することが当研究室の使命であり、青学発の技術を作り出すことを夢見ている.現在研究室では図1に示すような光ファイバを用いた超音波計測システムの開発を精力的に行っている。 1本の光ファイバで橋梁やタンクなどの大きな構造物の健全性診断を行うことができるこの技術は、これまでの卒業生の研究の成果であり、学会や産業界等でも注目を浴びている。
2) 先端超音波技術を用いた機能性材料の特性評価 超音波や光計測技術は、材料に損傷を与えることなくその特性を評価できる非破壊検査技術であり、当研究室では、レーザ超音波、空中超音波といった先端超音波技術を使った材料評価技術を独自に開発しており、世界に類を見ない機能性材料の特性評価技術を持っている.最近では新しくレーザスポーレーション法を開発し、ダイヤモンド薄膜の密着力や残留応力の評価法を構築しており、現在も進行中である.また、最近注目を浴びている空気結合型超音波計測についても研究をおこなっており、新規技術の創製に注力している。
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レーザ超音波計測システム |
研究風景 |