先ず断わっておきたいのは、SFを読む際に、登場する建築物や乗り物の材質や強度などを考えてはイケナイ、という事だ。架空世界、或は架空近未来では、チューブの中をリニアに似た物がひっきりなしに行き交い、地上すれすれをエア・カーが疾走する。また過酷な環境下にある辺境の星では巨大なドームが建設され、勿論、宇宙空間にはコロニー・ステーションが点在している。そんな時、そのコロニーの寿命推定方法は……などと頭の隅で考えてしまっては、とてもSFの世界をモノには出来ない。
さて、SFというのは、数あるジャンルの中でも群を抜いて作品の種類が多い。並べるとキリがないので、超オススメの十冊を紹介しよう。
チャペク・RUR、アシモフ・鋼鉄都市、レム・ソラリスの陽のもとに、シルヴァーバーグ・ガラスの塔、ハインライン・夏への扉、堀晃・太陽風交点、田中光二・大滅亡、筒井康隆・農協月へ行く、川又千秋・火星人先史、谷甲州・星の墓標(全て文庫本で入手可能)
全作トライしてもダメな場合、あなたにSFの才能は無い(キッパリ)。名作アニメ「風の谷のナウシカ」を見て涙が出るなら、敗者復活のチャンス有り。健闘を祈る!