日本材料学会コラム〜コロナ禍〜

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コロナ禍(1):空気感染
新型コロナウイルスは、インフルエンザと同様に、飛沫感染します。しかし、 空気感染という用語を聞いたことがあります。調べてみると、結核、麻疹(はしか)、水痘(水ぼうそう)だけが空気感染するようです。病原体の周りに水分があれば飛沫感染、無ければ空気感染だということです。空気感染を別の挙動に例えると、「におい」が考えられます。におい分子という有機物質が鼻の受容体に付着して、その信号が神経を介して脳に到達して、認識されるのです。プーと聞こえた後、臭いと思ったときには、音源の穴から放出された分子が鼻の粘膜に付着した後です。コロナが飛沫感染で、本当に良かったと思います。

コロナ禍(2):マスク
マスクをしていたら、飛沫感染のコロナに感染しないというのは、大変心強い情報でした。私は、東京に引っ越してきた2年目の1998年から花粉症で、2月から4月末まではマスク生活を続けています。花粉症にマスクの効果はありますが、完璧ではありません。湧き出る鼻水を隠すだけの効果のことも多々あります。マスクをしていても、鼻の中がムズムズしてきて、くしゃみは出ます。その時には、寸法の小さな花粉がマスクをすり抜けてきたに違いありません。マスクに「花粉症です!」と書きたかった人は、多かったと思います。それでも、マスク着用に慣れていて、本当に良かったと思います。

コロナ禍(3):WEB会議
青山学院大学には渋谷に近い青山キャンパスと神奈川県の相模原キャンパスがあます。理工学部は相模原キャンパスにあり、最寄り駅は「淵野辺」という地味な名前です。宇宙ファンの皆さんには、憧れの JAXAがあるところで通じますが、青山キャンパスの文系学部では、「野辺送り」と揶揄します。キャンパス間の移動は1時間余りかかりますので、全学会議は「テレビ会議」で繋いで行っていましたが、音声トラブル頻発でした。コロナ禍が始まって、遠隔授業やWEB会議が一般化しましたが、こんなに急に一般化するとは夢にも思いませんでした。会長として、儀式のような会議で京都に行く必要はなくなりました。コロナ禍のお陰でWEB会議ができるようになって、本当に良かったと思います。

コロナ禍(4):ワクチン
私が小学校の頃には、ワクチン接種が多く行われていましたが、今では信じられないことも多くありました。インフルエンザの予防接種では、注射器に目一杯ワクチンを詰め込んで、一列に並んだ生徒の腕にプス!プス!と連続打ちでした。エイズ禍の1980年代以前は、注射針の使い回しは普通でした。インフルエンザの注射が痛いのは、今も昔も同じですが、注射に耐えても罹患しました。A型やB型の予想が外れると、ワクチンは無力です。死の病であるコロナ禍が始まった頃、正常な社会に戻るのはワクチン開発次第と聞いて、「終わった!」と思いました。メッセンジャーRNAのワクチン開発ができていて、本当に良かったと思います。

コロナ禍(5):懇親会復活
ワクチンを2回接種したら懇親会ができると思っていましたが、接種完了時にはデルタ株が大流行です。4回目が終わってもオミクロン株に2022年総会懇親会は着席を余儀なくされました。オミクロン対応ワクチンで6回目まで終わっても、ウイルス学者はステルスオミクロン株だということでしたが、2023年総会懇親会は立食パーティ&ビール利き酒会で弾けました。ワクチン7回目も終わり、何とか罹患は阻止しています。懇親会は楽しいのですが、復活して本当に良かったと思えるように、飲み過ぎ&食べ過ぎには要注意です。