自転車の乗車定員は1名なのですが,例外があります.6歳以下の子供との2人乗りは地方自治体の条例で認められていました.東京都では,1人を子供座席に乗せて,もう一人を背負えば3人乗りが可能でした.日本の生活には自転車の利便性はなくてはならないものです.条例違反でしたが,多くのお母さんたちは,子供座席を自転車の前後に付けて3人乗りをしていました.当然危険性は高まりますので,2007年に3人乗りの取締強化を警察庁が発表すると,お母さんたちの怒りが爆発しました.異例のことですが,お母さんたちの意見を警察庁がすんなり聞き入れ,2008年に幼児2人同乗用自転車の基準を決める委員会が開かれることになり,私はこの委員会の座長を命じられました.
自転車に3人乗りをすると,重量増加によって自転車のフレーム強度が足りなくなり,振動が出たり疲労で壊れたりすることがあります.そもそも日本の自転車の設計では,65kgの乗員体重を想定しています.大相撲の力士が乗ることは想定外です(皆さんは大丈夫ですか?私はアウトです).もちろん,余裕を持った設計が行われていますが,乗員体重を増やした設計の幼児2人同乗用自転車は2009年7月から発売されています.大人用のタンデム自転車は,海外で許されているところもありますが,日本ではダメです.中学生や高校生の時に女性を荷台に乗せてワクワクしたあなた(私も…)!大人の自転車2人乗りは,法規的にも自転車の強度的にも問題です.マナーと規則を守って楽しく正しく二輪車を楽しみましょう.